用語解説GLOSSARY
用語説明(業界編)
バルク輸送
商品をバラのまま輸送することをバルク輸送と呼びます。
梱包資材(容器)を使用せず、詰込・取出の手間が省けますので、コストと環境にもメリットのある輸送形態です。
一般的には粉体や液体のバラ輸送を指し、タンカーやタンクローリー、車載タンクにより行います。
AIB(エー・アイ・ビー)
AIB とは、AIBフードセーフティー指導・監査システムのことを指します。
これは、米国の製パン・製粉技術者の育成機関である米国製パン研究所(American Institute of Baking)が設定した基準「AIB食品安全統合基準」に則った教育指導・監査システムで、施設内における不衛生な状態、管理されていない状態を特定し、潜在的な食品への危害を取り除くことを目的としています。
HACCP(ハサップ・ハセップ)
Hazard Analysis Critical Control Point の略。
食品の原料の受け入れから製造・出荷までの全ての工程において、特に重点的に管理する必要がある工程を特定し、集中的・継続的に管理し、管理内容を記録することにより、食品の安全性を確保する手法です。
フード・ディフェンス
食品への意図的な異物の混入を防止する取り組み。
原料調達から販売までの全ての段階において、人為的に毒物等が混入されることのないように監視するもの。食品防御。
用語説明(タンクローリー設備編)
危険物仕様タンクローリー
消防法で決められた基準にのっとり設計、製造されたタンクローリーです。
多くは4,000KL以下に仕切って作られています。
例えば12KL積みならば4,000KLが3室という具合になります。
実際の仕様は輸送する商品の種類や業務内容に より基準内でカスタマイズして製造されています。
サニタリー仕様タンクローリー
菌の発生の恐れのある商品の輸送のために作られたタンクローリーです。
多くはステンレス製の鏡面仕上げとなっており、ほぼすべて分解洗浄が可能で、かつ、配管はなるべく短くなるように製作されています。
緊急弁
危険物対応の仕様のタンクローリーの底弁の直下についている弁で、緊急時に液体の流出を瞬時に遮断する装置。
一つのレバーを操作するだけで全槽を遮蔽できます。
底弁
危険物仕様のタンクローリーの各タンクの底に付いている弁。タンクの設置角(傾斜)により、各槽の前方または後方に設置されています。
バルブの種類
タンクローリーに使われるバルブは主にボールバルブ・バタフライバルブ・パラバルブとなります。
- ボールバルブ
- 主に危険物仕様の車両に使用します。内部のパッキンは主にテフロンが使用されます。
- バタフライバルブ
- サイズがコンパクトで構造がシンプルです。内部のパッキンは主にゴム系が使用されます。
- パラバルブ
- サニタリー仕様の車両に使用します。分解・洗浄が容易にできる構造になっています。
窒素管
荷卸時に空になる空間に空気が入ることを防ぐため、窒素で置換する際に使用する配管です。
食用油脂の荷役では1.5インチのカプラー(ヨネカップ)で接続することが一般的です。
工業系タンクローリーでは同じような構造ながら、臭気や有機ガスを放出しないように納入先タンクとタンクローリー内で置換するために使用します。(ペーパーリカバリーと言います。)
ジョイント(接続金具)
タンクローリーと荷役用のホース、相手先さま設備と荷役用ホースを接続する金具の呼び方の一つです。
資材の名称としては「継手」といわれることのほうが多いですが、タンクローリー業者はたいていジョイントと呼んでいます。
タンクローリー業者の中でも従事させていただいている業種により主要タイプは変わります。
また地域的特色もございます。食品ローリーに関しては関西では油脂系は東急ねじ2.5インチまたは荒ねじの2.5インチが多く使われています。設備側はガスねじ2インチもよく使われます。
サニタリーローリーではIDFまたはカムロックが多く使われています。
ケミカルローリーはMねじ・荒ねじが一般的です。
東急ねじ(8山)
関西の動植物油脂の継手としてよく採用されています。
1インチあたりのねじ山数が8つなので8山とも呼ばれます事項のMねじとほぼ同形状に見えますが互換性はありません。
Mねじ
工業系のタンクローリーに多く採用されています。
東急ねじとほぼ同形状に見えますが互換性はありません。
荒ねじ(5山)
工業系・動植物系油脂ともによく使われています。
1インチあたりのねじ山数が5つなので5山とも呼ばれます。
ガスねじ
一般に普及している管用ねじでタンクローリー作業では50Aがよく使われます。50Aオスはドラムねじともいわれます。
ねじ部はテーパー状になっており、漏れ防止にシールテープを要します。
ツバ付きガスねじ
50A管用ねじのストレートにパッキンを使用するために鍔を付けたもので、50Aストレートのメスねじに接続できます。
接続先がテーパの場合は本来不適合で、接続はかろうじてできますがリスクがあります。
カムロック
レバー2本で締め付けができるカプラーです。メーカーが違ってもたいてい互換性がありますが、稀に締め付けができない組み合わせがあります。
IDF
サニタリーねじとも言われ、衛生面、分解洗浄性にすぐれた構造となっています。ねじ山が台形であるところが特長です。
ヘルール
IDFとともに衛生面・分解洗浄性に優れた継手です。
クランプで締めこんで接合します。
BSP
3インチBSP(ストレート)ねじは輸出入に使うISOコンテナの抜出口によく使われています。イギリスのねじ規格ですが、JIS規格の管用ねじ(ストレート)ともたいてい互換性があります。
名古屋ねじ
東急ねじとMねじに類似していますがねじ径がわずかに小さく、東急・Mねじメスに名古屋オスは接合できることもありますが咬み合わせが緩いので注意が必要です。使用されることは稀です